jazz

なんで光線が毛根にダメージを与えられる?
レーザー脱毛と光脱毛は何が違う?
なんで機械がたくさんあるの?

脱毛サロンでサラーっと説明されてしまう脱毛のメカニズム。

わかったような、わからないような……。

記事を書いているのは・・・

資格を取得後、脱毛サロンを運営。日々変わる情報をアップデートしながら研究しています

kazu

今回は「光脱毛・レーザー脱毛(アレキサンドライト・ダイオードレーザー・ヤグレーザー)のメカニズムと脱毛機械」についてです。

※3分ほどで読み終わります。

光脱毛とは?

光脱毛の正式名称は「IPL脱毛」といい、「フラッシュ脱毛」とも呼ばれます。

IPLとは「Intense Pulsed Light」の頭文字をとった言葉です。「短い時間、強力に発光させる」という意味になります。

光線を毛根に照射することで脱毛していきます。

レーザー脱毛のメカニズム

レーザー脱毛

医療機関で行われるレーザー脱毛も、IPLと同じ方式です。

レーザー(laser)という言葉も「Light Amplification by Stimulated Emission of Radidtion」の頭文字をとった言葉です。「エネルギー密度の高い単一の波長を増幅させた光線」という意味になります。

波長とは?

光は、空中を飛びかっているさまざまな電磁波のうちのひとつです。

光は下のようなプリズムを通すと、赤から紫までの色として認識することができます。

これが目に見える可視光線です。

光脱毛とプリズム

電磁波には固有の波長があります。

波長とは下のようなひとつの波のことです。

波長は短ければ短いほどエネルギーが強くなります。

波長が短いとエネルギーが強い

電磁波は、波長が1000km以上にもなる電波から、1mmの100億分の1以下のγ(ガンマ)線まであります。

波長は短ければ短いほどエネルギーがつよくなるので、γ線のような短い波長は、消毒などに活用されています。

KONICA MINOLTA ホームページより

脱毛で使用される光線は、目に見える「可視光線」と、目に見えない「近赤外線」があります。

光エネルギーから熱エネルギーへ

光エネルギーは、物体に吸収されると熱エネルギーに変換されます。

物体には光を吸収する分子「発色団」が含まれています。

発色団:リンゴが赤く見える理由

リンゴを例に出します。

光線がリンゴに当たります。

リンゴは赤色以外の色を吸収し、赤色だけを反射しています。

すると目がリンゴを赤と認識します。

この赤色以外の光を吸収する分子が「発色団」です。発色団の働きで人間の目にはりんごが赤く見えるようになります。

色の見える仕組み

中部電力ホームページより

光脱毛と光線

光脱毛、レーザー脱毛ではこの特性を利用し、毛根に熱エネルギーをぶつけます。

物体内部に光エネルギーがあたると熱エネルギーになります。すると、物体があたたまります。

脱毛ではこのエネルギーを強くしています。

発色団で光エネルギーが熱エネルギーに

皮膚科におけるレーザー治療の基本原理:渡辺晋一著

発毛の仕組み

毛包幹細胞から毛芽から毛母細胞への変化の様子

体毛はまず「1:バルジ領域」で体毛の元となる幹細胞が作り出されます。

体毛と毛細血管がつながると、「2:毛乳頭」に幹細胞が送られます。この毛乳頭で毛母細胞に変化し、体毛が成長していきます。

脱毛の仕組み

この「1:バルジ領域」と「2:毛乳頭」の働きを止めることで脱毛されます。

「1:バルジ領域」は45℃以上、「2:毛乳頭」は60℃以上の熱を加えると働きが止まります。

ただし、「2:毛乳頭」は毛細血管とつながっているときにしか効果はありません。

この時期の体毛を成長期と呼びます。

1回の照射で15%ほどの体毛に効果を発揮します。

熱エネルギーが毛根を破壊するわけではない

体毛に照射された光エネルギーが「発色団」に吸収されると熱エネルギーに変換されます。

すると、毛根のまわりにある毛乳頭に熱が伝わります。

光脱毛では100℃、レーザー脱毛では200℃近くの熱になります。

60℃を超えるとタンパク質やコラーゲン分子の構造を破壊することができます。

これを「変性」と呼びます。

光線の熱が高ければ高いほど、照射時間が長ければ長いほど「変性」につながり、細胞の働きを停止する確立が上がります。

体毛をつくり出す「毛乳頭」「バルジ領域」に十分なダメージを与えることができれば、体毛が二度と成長することはありません。

光線の効果

脱毛光線を肌に当てると、肌内部に吸収されます。

光エネルギーが吸収される3パターン

1:メラニン色素(黒色の色素)
2:肌内分の水分
3:赤血球の中にあるヘモグロビン

脱毛効果を発揮するのは「1:メラニン色素(黒色の色素)」「2:肌内分の水分」です。

「3:赤血球の中にあるヘモグロビン」に吸収されると肌が活性化します。

1:メラニン色素が光エネルギーを吸収

光線が皮膚の中に入ると真皮を透過し、肌内部の水分を通り、そしてメラニン(黒い色素)が光エネルギーを吸収します。

黒い体毛に効果を発揮

光エネルギーがメラニン色素(黒い体毛)に吸収。体毛内で熱エネルギーに変換され、脱毛効果を発揮

光線は白く見えますが、実際にはさまざまな色が含まれていて、目に見えない光線も同時に照射されています。

レーザー脱毛機と光脱毛機の波長の違い

光線の色により、黒い分子への吸収率が変わります。

下のグラフのメラニン(緑色)に注目してください。メラニンとは、メラニン色素のことで黒い色素をさします。

アレキサンドライト、ダイオードレーザー、ヤグレーザーの光の吸収率の違い

レーザー脱毛と光脱毛では黒い体毛(メラニン色素)に光エネルギーをぶつけるため、どの波長がどれだけ黒い分子に吸収されるかがとても重要です。

そのため、日焼けしてしまうと、黒い肌に光線が吸収され、ヤケドしてしまうので日焼けは厳禁です。

脱毛機械の波長

レーザー脱毛機は波長が1つに固定されています。

それに対し、光脱毛器は波長を広くカバー(基本:700nm~1200nm)します。

光脱毛機

レーザー脱毛がひとつの波長の光線を発射するのに対し、光脱毛機はおおよそ700nm~1200nmまで、レーザー脱毛の波長をカバーします。

光脱毛は幅広い波長で照射

レーザー脱毛機

レーザー脱毛機は一点集中型で、機械ごとに波長の長さが「ひとつ」決まっています。

レーザー脱毛は毛根の深いところに照射

脱毛で使用される有名なレーザー脱毛機は、アレキサンドライト(755nm)、ダイオードレーザー(810nm)、ヤグレーザー(1064nm)の3種です。

アレキサンドライトとダイオードレーザーの光線はメラニンに吸収されやすいため、脱毛効果がかなり高いです。

しかし、波長が1000nm~になってしまうと、光線がメラニンに吸収されづらくなってしまいます。

ヤグレーザーは深い場所のメラニンに反応

そうなるとヤグレーザーの光線は、ほとんどメラニンに吸収されないことになってしまいます。

下記グラフはさきほどのグラフとは、吸収率の計算方式が違います。

このグラフの通り、ヤグレーザーでもメラニンにしっかり働きます。

ヤグレーザーは深い場所のメラニンに反応

Dr.若松他 正常及び母斑皮膚の分光分析「レーザーによる母斑治療の基礎研究」日形外会誌 3:439-445,1983

ただし、ヤグレーザーはアレキサンドライトやダイオードレーザーに比べ、メラニンにあまり反応しない特性があります。

ですが、黒色に反応しないおかげで、日焼けしてしまった人の肌でも使用することができます。

アレキサンドライト、ダイオードレーザー、ヤグレーザーの光線の深さの違い

らら子の成長物語さんのブログより

この図のように波長の長いヤグレーザーの光線は深い部分まで届き、ピンポイントで「根深く太い体毛」に効果を発揮します。

特に、ヒゲとVIOに高い効果が期待できます。

ただし、痛みを強く感じやすい特徴があります。というのもヤグレーザーの光エネルギーは水分によく吸収されるからです。

水分は保温能力がとても高いので、熱がこもりやすくなります。ヤグレーザーの光線をあてると水分を通し、周りの皮膚がヤケドしてしまうリスクが高くなってしまいます。

kazu

痛いと感じる人が多いです……

そして、深い場所にあてていくので、麻酔クリームが効きづらいです。麻酔クリームは皮膚の表面に近いと効果を発揮しますが、深い部分ではほとんど効果がありません。

そのため、麻酔をする場合は笑気麻酔がオススメです。

2:肌内部の水分が光エネルギーを吸収

光エネルギーが水分に吸収されても脱毛効果を発揮します。

ヤグレーザーは水分によく反応するので、白髪やうぶ毛に効果を発揮することがあります。

公式には「黒い体毛にしか反応しない」と言われますが、白髪・うぶ毛に反応することもあります。

水分に光線をあてる方法

肌の水分に吸収された光エネルギーが水分内で熱エネルギーに変化します。この熱エネルギーが水分から毛根に伝わり脱毛効果を発揮します。

この場合、黒い体毛だけでなく、白髪やうぶ毛にも効果を発揮します。ただし間接的な方法なので、効果がほぼない場合もあります。

水分から毛乳頭に熱エネルギーが伝わり、発毛の働きをストップさせるというメカニズムです。

メラニンに照射する方法ほど効果はありませんが、深い毛根に効果があらわれる脱毛法です。

3:ヘモグロビンが光エネルギーを吸収

最後にヘモグロビンが光エネルギーを吸収したときの効果です。

赤血球に含まれるヘモグロビンに光エネルギーが吸収されると「リフトアップ(肌の若返り)」につながり、「コラーゲン生産」が促進されます。

IPL照射は美肌治療で行われる「フォトフェイシャル」と同じ方式です。

光脱毛で肌がキレイに

ヘモグロビンに光エネルギーが吸収されることで、リンパの流れやコラーゲン層の活性化につながります。

安全なムダ毛処理と同時に肌の若返り、はり、小じわ、美白、たるみ・しわ・毛穴の黒ずみや開き・毛細血管拡張による赤ら顔・紫外線によるシミに効果を発揮します。

光エネルギーの肌質改善効果

緑・・・しみ、そばかす、ニキビ跡
黄・・・赤ら顔
橙・・・毛穴、小じわ、肌質改善
赤・・・抗炎症、肌に弾力

その代わり、メラニンや水分よりもヘモグロビンに光エネルギーが吸収されると、脱毛パワーが落ちてしまいます。

脱毛処置を受けるとき、照射面を少し強めに肌に押しつけられることがあるかもしれません。

これは少し押すことで、一時的に血液を照射面の両脇にズラしていると考えられます。こうするとヘモグロビンに光エネルギーが吸収されすぎないようにすることができます。

このように、美肌効果を求めるなら照射面を軽くあて、脱毛効果を求めるなら照射面で肌を圧迫していきます。

メンズ脱毛

男性のムダ毛は濃く、しぶといため男性専門のクリニックやサロンがオススメです。

「光脱毛は効果ない」というのはひと昔前の話。光脱毛も機械が進化し、脱毛効果を実感できることが多いです。

クリニック・サロンには無料カウンセリングがあり、初回の施術料金はとてもお得です。

肌トラブルの改善にも役立つ、男性専門サロン「メンズクリア」

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kazu

以上「光脱毛、レーザー脱毛のメカニズムと脱毛機械について」でした。
どうもありがとうございました。