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「シンフォニー・イン・C」はどんなストーリー?
初心者でも楽しめる?
見どころは?

ジョージ・バランシンの傑作のひとつに挙げられる「シンフォニー・イン・C」。

kazu

とっても大好きな作品です!!

ニューヨークに旅行に行ったとき、住んでいた時もたくさん観ました。合計10回以上は観ていると思います。日本で上演されるときも観に行きたくなっちゃいます。

2019年6月、イギリスの「ロイヤルバレエ団」が日本で「シンフォニー・イン・C」を上演します。なんとしても観に行きたいと思いつつ、仕事もあるので、究極に迷っています。今回は「シンフォニー・イン・C」に関する記事です。

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録あり。ぜひ男性にもバレエを観に行ってもらいたいと思っています。

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今回は初心者でも楽しめる「シンフォニー・イン・C」の作品解説です。

※3分ほどで読み終わる記事です。この記事はバレエ鑑賞初心者の方のために書いています。初めて「シンフォニー・イン・C」を観ても楽しめるよう映像で予習できるようになっています。

色が消えた?

30分の短い作品である「シンフォニー・イン・C」には、ダンサーが56人も登場します!!

もともと1947年、パリ・オペラ座バレエ団のために創られた作品です。当時は「水晶宮」というタイトルがつけられていました。英語の題名は「クリスタル・パレス」でした。

音楽は4つの楽章に分かれていて、テーマとなる宝石(カラー)がありました。

クリスタル・パレス

第1楽章「ルビー」
第2楽章「ブラック・ダイヤモンド」
第3楽章「エメラルド」
第4楽章「パール」

こちらは、パリオペラ座の映像です。

「水晶宮」という名の通り、豪華できらきらしている作品です。

音楽のスピードが速く、合わせるための正確なテクニックが必要な、難易度の非常に高いバレエです。

主役級ダンサーが4組も出演

30分の作品に、主役を踊るプリンシパル級のダンサーが4組も出演するのが大きな特徴です。

出演人数

1楽章ごとに、
主役カップルが1組2名
リードカップルが2組4名
群舞の女性ダンサーが8名

最後の第4楽章では、途中から1楽章、2楽章、3楽章のダンサーたちも再度登場し、最終的に56人で舞台を埋め尽くします。

第1楽章から第3楽章までは、バレエ団を代表するプリンシパルが踊り、第4楽章はネクストプリンシパルと期待されるダンサーが配役されることが多いです。ですが、たまーに第4楽章でもプリンシパルが出てきたりすることもあります。その時は、さらに豪華になります。

最後、各楽章の4人の主役が並ぶときのバチバチ感がすごくイイんです!!

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第4楽章の最後は「終わってほしくない…」と毎回思います。

音楽はジョルジュ・ビゼー(「カルメン」作曲)が17歳の時に作曲した「交響曲ハ長調」です。

「シンフォニー・イン・C」に題名を改訂

「水晶宮」はパリの初演で大成功を収めました。その後、振付のバランシンが「水晶宮」を「シンフォニー・イン・C」と自ら改題しました。ここにはバランシンの意図があります。

バランシンは、抽象的なバレエの振付家として有名です。抽象バレエとは「バレエから物語性を排除してる作品」のことです。「踊りで純粋に音楽を表現する」という挑戦をバランシンが始めます。

ここにこだわってできたのが「シンフォニー・イン・C」。曲名がそのまま題名となりました。踊りで音楽を表現する、というバランシンの意思が題名に表現されています。人数や構成は「水晶宮」と変わらないものの、振付が細かく変更されています。

そして、一番の大きな変化は衣装。女性は全員白のクラシックチュチュ。男性が黒に変更されました。宝石をテーマにした豪華な衣装から、一気にシンプルに!

しかしシンプルがゆえ、最後の第4楽章が圧巻です。統一された白黒の衣装で56人がいっせいに踊ると圧倒されてしまいます。「水晶宮」もいいですが、白と黒の世界も美しいと感じます。

ミニマリズムの先駆けといってもいいと思います。

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僕は、第4楽章がとにかく大好きで、何度も観たくなってしまいます。

現在世界各地のバレエ団がレパートリーに持っているのは、改訂後の「シンフォニー・イン・C」です。

ニューヨーク・シティ・バレエ団の映像を紹介したいのですが、アップされていないのでボリショイ・バレエの映像です。とくに第4楽章は音楽が速く、テクニックも難しい。

ピルエットがとにかく多いので、しっかりと軸がないとブレてしまいます。とくに難しいステップは7:25~の「ピルエット、ロンデ、もう一度ピルエット」です。理想は軸足はずっとルルベしたままで、ロンデの足はしっかりと伸ばし、その軸足をキープしたままもう一度ピルエットを回る。

これが恐ろしく難しいです。


バレエ界のスター、スヴェトラーナ・ザハーロワとマリア・アレクサンドロワを持ってしても回転が難しいことがわかります。

ちなみに改訂前の「水晶宮」をレパートリーに持つバレエ団が世界に2つだけ存在します。ひとつは先ほど紹介したパリ・オペラ座バレエ団。そしてもうひとつは、日本にある東京バレエ団です。 

東京バレエ団の総監督を務めていた故佐々木忠次さんは、「水晶宮」を大プッシュしていました。本を読んだことがあるのですが、「シンフォニー・イン・C」を全否定しいましたね笑。

kazu

僕は断然「シンフォニー・イン・C」が好きです!!

楽章ごとにあらわれる個性

第1楽章は基本ステップがたくさん登場します。ポジションの移動スピードが速く、性格なポジションに移動しなければいけないので高い技術力が求められます。そして正確な音楽性が必要です。

第2楽章はゆったりとしたアダージョパートです。

アダージョ

アダージョとは音楽用語で「ゆったり」という意味があります。ゆったりと踊られます。

バレエ団の華となるダンサーが主役を踊ります。途中、片足でバランスを取り続けながら、もう片方の足を前後左右に上げる部分はとてもスリリングです。

第3楽章は細かく速いステップの連続です。小回りのきくダンサーが配役されることが多いです。

第4楽章は、第1楽章と似ています。そして勢いのある若手のダンサーが配役されることが多いです。

忘れてはいけないのが群舞です。うしろにいるダンサーもつねに動いています。全員が息を合わせてバレエの基本ステップをふんでいると、とてつもなくキレイです。ぜひ群舞にも注目してみてください。

ニューヨーク・シティ・バレエ団の「シンフォニー・イン・C」は特別

これをバレエファンに言うと結構、「は?」という意見が返ってくることがあるんですが、僕はこう信じています。失礼な言い方になってしまいますが、ニューヨーク・シティ・バレエ団は、世界の中では中堅レベルと、たぶん思われているバレエ団です。

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僕はこのニューヨーク・シティ・バレエ団が大好きです。

ニューヨーク・シティ・バレエ団は、バランシンのためのバレエ団です。というのもバランシンが創設したバレエ団で、亡くなった現在でも上演する作品のだいたい半分はバランシンの作品です。バランシンの振付を忠実に守るために「バランシン財団」というものがあります。ニューヨーク・シティ・バレエ団は、バランシンの作品を忠実に守っていくことを第1に考えているバレエ団です。

2012年に衣装が一新

ニューヨーク・シティ・バレエ団には衣装部があり、公演に必要な衣装はすべてニューヨーク・シティ・バレエ団内で制作しています。

2012年に現在の衣装に一新されました。楽章ごとの主役のティアラはロシアスタイルになっています。そして、とくに美しいのが女性の衣装で、14層に重なるチュチュと、縫い付けられたスワロフスキーです。

スワロフスキーはすべて手縫いで、チュチュの先になるほど暗い色のスワロフスキーを使用しています。少し青色のクリスタルも使っていて、青い背景と合うように計算されています。

他のバレエ団の「シンフォニー・イン・C」

「シンフォニー・イン・C」をはじめ、バランシンの作品は世界各地で上演され続けています。ただ、それぞれのバレエ団が好き勝手に踊っている印象です。

もちろんバレエ団の個性があっていいんですが、ニューヨーク・シティ・バレエ団がバランシンの作品を踊ると一味違います。 そのため僕は、振付を忠実に守るニューヨーク・シティ・バレエ団が好きなんだと思います!

このDVDは僕も持っていて、一番見ていた時期のダンサーが踊っているので、この映像をみるとニューヨークに留学していた時代に一気に戻ります!

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大好きな作品「シンフォニー・イン・C」の紹介でした。
ありがとうございました!