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ロイヤル・バレエ団で日本人ペアの主演が実現?
高田茜さんと平野亮一とは?
見どころは?

英国ロイヤル・バレエ団で、日本人ペアによる「ロミオとジュリエット」の公演がありました。

カーテンコールでの拍手喝采!!

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。舞台、特にバレエを観に行くのが大好きで、年間100公演観に行った記録あり。ぜひ男性にもバレエを観に行ってもらいたいと思っています。

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kazu

今回は高田茜さんと平野亮一さんによる「ロミオとジュリエット」NHKでの放送をご紹介します。

※3分ほどで読み終わる記事です。インタビュー内容と本編の感想です。この記事はバレエ鑑賞初心者の方のために書いています。

「ロミオとジュリエット」英国ロイヤルバレエ団、高田茜、平野亮一

高田茜さん、平野亮一さん主演

今回は2019年4月13日と27日に収録された舞台映像です。ジュリエット役の高田茜さん、ロミオ役の平野亮一さん、ふたりともデビューとなりました。映像で見ても素晴らしい内容で、最後のカーテンコールの盛り上がりからもその様子がわかります。

NHKでの放送は本編138分に加え、14分のNHK独自のスペシャルインタビュー映像がついています。

ロミオとジュリエットのあらすじや見どころはこちらをどうぞ。

キャスト

ジュリエット:高田茜
ロメオ:平野亮一

マキューシオ:ジェームズ・ヘイ(James Hay)
ティボルト:ベネット・ガートサイド(Bennet Gartside)
ベンヴォーリオ:トリスタン・ダイヤー(Tristan Dyer)
パリス:トーマス・モック(Tomas Mock)
キャピュレット公:トーマス・ホワイトヘッド(Thomas Whitehead)
キャピュレット夫人:クリステン・マクナリー(Kristen McNally)
ヴェローナの大公:アラステア・マリオット(Alastair Marriott)
ロザライン:ララ・ターク(Lara Turk)
ジュリエットの乳母:ロマニー・パジャック(Romany Pajdak)
僧ロレンス/モンタギュー公:フィリップ・モーズリー(Philip Mosley)
娼婦たち:イツァール・メンディザバル、クレア・カルヴァート、マヤラ・マグリ

原作:ウィリアム・シェークスピア
振付:ケネス・マクミラン
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
美術:ニコラス・ジョージアディス Nicholas Georgiadis
照明:ジョン・B・リード

指揮:ポール・マーフィ(4/13)
コーエン・ケッセルス(4/27)
演奏:英国ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団

インタビュー内容

2019年3月26日から6月11日まで英国ロイヤル・バレエ団では「ロミオとジュリエット」の上演がありました。当初は5組のペアで配役が発表されていました。

プリンシパルの高田茜さんは、同じくプリンシパルのスティーヴン・マックレーを相手にジュリエット役でデビューする予定でした。ですが、スティーヴン・マックレーがケガを理由に降板します。

一方、プリンシパルの平野亮一さんは、そもそもロミオを踊る予定ではありませんでした。ですが、ロミオ役が次々とケガにより降板。ここで急遽、平野亮一さんがロミオに配役されます。この時、ベアトリス・スティックス・ブルネルが相手役でした。

しかし、スティーヴン・マックレーが降板したことで、高田茜さんのパートナーがいなくなります。そこで登場するのが平野亮一さんです。

準備期間2週間で、高田茜さんと平野さんの「ロミオとジュリエット」が上演されることになりました。

高田茜さん

アレッサンドラ・フェリの映像をいつも見ていたという高田さん。たぶんこのDVDだと思います。

踊り主体の作品を見ていた中で、初めて見た物語バレエが「ロミオとジュリエット」だったそうです。プロコフィエルの音楽が本当に素晴らしく、聞くだけで涙がでるほど好きな作品だそう。

ジュリエットは直接両親から育てられているわけではなく、乳母に育てられているため、両親とは距離があり、孤独感が常にあります。恋に落ちることによって、自分自身を見つけることが出来るジュリエット。大人にならざるを得ないジュリエットですが、たったの14歳です。

ひとりで決断をする場面を含め役作りは難しかったようです。ジュリエットにとってはすべてが初体験。その役に合わせるように高田さんにとってもジュリエットととして舞台にでることでいろいろな発見があったようです。特に驚いたのは、3幕での怒りの感情とのことでした。また、何もせず前を見つめるシーンも掴むのが難しい場面だったようです。

テクニックに縛られることなく踊れたのは、このジュリエット役が初めて、と語っています。本番、リハーサルととても楽しめたとのこと。カーテンコールでもジュリエットを引きずるくらい感情を入れ込める作品となったそうです。

kazu

高田さんの円熟期がここからどんどん始まっていくように思います。これからの高田さんの舞台は必見です。

日本人カップルで踊るというのはかなり特別なことですが、平野さんを日本人としてではなく、ロミオとして考えていた。平野さんのパートナーリングはロイヤルでも1番。平野さんのおかげで自由に踊ることができた、と語っていました。

平野亮一さん

インタビュー時、いつもよりほっそりしていて、ロミオの繊細さを身体でも表現しているように思いました。

幼少期、クラス前に「バルコニーシーン」の映像を見てからモチベーションを上げるくらい「ロミオとジュリエット」は好きな作品だったそうです。

急遽、高田さんと一緒に踊ることが決まった平野さん。それまでは、それぞれ違うパートナーとリハーサルをしていました。今回の配役変更により、テクニックだけでなく、演技についてもすり合わせを行っていきました。

役作りにかなりのこだわりを持っているのがインタビューからわかります。特に、平野さんはティボルトとパリスをレパートリーに持っています。いろいろなロミオを間近で見ていた経験があります。今までロミオの相手役をしてきていたからこそ、多角的な角度からロミオの役作りをすることができたと語っていました。

最初で最後だと思って、自分の描き出せるロミオを最初から最後までしっかり考えたそう。とくにロミオは3幕で成長を見せていくので力を入れたそうです。

印象的なシーンとしては、ティボルトへの復讐です。復讐心という感情は、本来ロミオが持ち合わせていない感情です。ロミオを演じつつ、ロミオらしくない感情を出さなければいけない。これが挑戦だったようです。

kazu

実際の舞台では、ロミオが怒り狂ってティボルトに復讐する時、みんながかなり困惑しているのが見て取れました。特に、娼婦役のイツァール・メンディザバルの表情が物語っていました。

平野さんの好きなシーンは、ジュリエットがベッドに座り何もしないシーン。何も動かないからこそ力強さ、印象の強さがあるシーんです。高田さんの演技では、考えが身体ににじみ出ていて素晴らしいと言っていました。

そして、主役だけでなく、舞台上のダンサーを見てほしいので何回も見てほしい、と語っていました。

出演者全員で作り出す舞台

出演者全員が舞台に欠かせない存在で、とてもバランスの取れた配役になっています。全員の踊りがすごく安定しているのも観ていて満足度が高いです。平野さんがインタビューで語っていた通り、日本人ペアの「ロミオとジュリエット」は何度見ても楽しめる内容です。

出演者全員の演技の方向性が合致していて、話がすんなり身体に入ってきます。

セリフのないバレエでも会話しているように感じます。とくに「バルコニーシーン」のロミオとジュリエットと、ティボルトとマキューシオの対決は必見です。

高田さん

高田さんは思いっきり踊っています。特に最初のパリスとのパ・ド・ドゥでみせるサポートされてのジャンプ。あまりにいさぎよくてびっくりします。舞台を大きく使っていて、音のとり方、身体の使い方、とても素晴らしかったです。

3幕の演技が際立っていました。とくに最後、ロミオが死んでしまった後のジュリエット…。すごかったです。

平野さんのサポートにより、高田さんの動きがとてもキレイでした。

平野さん

平野さんはサポートはとにかく安定していて、高田さんの安心感が伝わります。難しいリフトも軽々とこなし、バレエで大事なレディーファースト感と品の良さがあるダンサーです。

背が高いのでとても目立ちます。

ひとつ気になったのは、ロミオの平野さんと、ティボルトのベネット・ガートサイドの身長が高く、マキューシオのジェームズ・ヘイと、ベンヴォーリオのリスタン・ダイヤーの身長が低いので、ちょっとバランスが悪く見えてしまいました。

このNHK版ではロミオがはじめてジュリエットを見つけるシーンがチラッと映っています。僕はこの時のロミオの表情が大好きなので、個人的に嬉しいです。

日本人キャスト大活躍

2日間撮影した映像を組み合わせて使用しているので、1幕のジュリエットの友人の踊りがなかなかおもしろいことになっています。本来は一緒に踊っていないのですが、2日間の映像が組み合わさっているので佐々木万璃子さん、桂千里さん、前田紗江さんのジュリエットの友人を見ることができます。

とくに前田紗江さんはどの舞台を観ても目立ちます。

ジェームズ・ヘイのテクニック

ジェームズ・ヘイはテクニックが高いのですが、今回は演技力の高さにしびれました。見せ場である、マキューシオがティボルトに殺されてしまうシーンが素晴らしかったです。

そして、娼婦役のマラヤ・マグリは今とても勢いのあるダンサーです。今回もかなり勢いがありました。

あと、パリスのトーマス・モックがとにかく気の毒でした。なぜ殺されなければいけないのか…。本当にタイミングの悪い男です…。

マキューシオの死は完全なる事故

今回の「ロミオとジュリエット」では、このシーンの悲しさに説得力がありました。

kazu

僕はずっとティボルトは殺すべくしてマキューシオを殺したと思っていたのですが、今回の公演では事故感がかなりありました。

例えば、男の子が、女の子をからかっていたとします。だんだん調子に乗ってしまい、言い過ぎて女の子が泣いてしまった!!
悪ふざけが過ぎ、バツの悪い空気が流れます。

ティボルトとマキューシオの対決はこのような感じでずーっと進んでいきます。周りの群衆たちも、ふたりの対決を「まーた、やってるよー」くらいの軽い気持ちで見ています。ですが、ちょっとしたハズミでマキューシオに剣が刺さってしまいます。

だの事故、という感じがありました。

最初のシーンからもわかるようにこの時代は戦いでバッタバッタと人が死んでいきます。今とは死生観がだいぶ違うんでしょうか。

とにかく、この事故のせいでロミオとジュリエットは悲劇へと転がってしまいます…。本当に人生なにが起こるかわからない…、と思い知らされるのでした。

感動的なカーテンコール

最後のカーテンコールはとても盛り上がっていました。映像で見ていてもすごく感動するので、生で観たらもっと感動していたんだと思います。

kazu

何回みても楽しめるロミオとジュリエットを今回紹介しました!!
ありがとうございました。