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バレエの振付師で若手はいる?
ジャスティン・ペックってどんな人?
どんな部分が新しい?

バレエ団にはそれぞれ常任振付家といって、バレエ団専属の振付家がいます。バレエ団に専属の振付家がいることで新作を上演することができます。日本のバレエ団ではK-Balletカンパニーの熊川哲也さんくらいしか新作を作ることがなく、他のバレエ団は海外の振付家を招いていることが多いように思います。

バレエ界の発展のためには、振付家の存在は欠かせません。

記事を書いているのは…

元劇団四季、テーマパークダンサー。30分のショーから2時間の舞台まで出演回数は5,000回は軽く超えているんじゃないかと思います。レッスンを受けるのが大好きで、ひたすら踊りまくっていました。今もレッスンは継続中でフリーのダンサーとして活動中です。

kazu

今回はニューヨーク・シティ・バレエ団の常任振付家のジャスティン・ペックをご紹介します。

※3分ほどで読み終わる記事です。読み終わる頃、ジャスティン・ペックの作品が見たいと思ってくれていると嬉しいです。

新時代の振付家「ジャスティン・ペック」

ニューヨーク・シティ・バレエ団には若手の振付家がいます。それが、元ニューヨーク・シティ・バレエ団のソリストだったジャスティン・ペックです。

ニューヨークでは毎年ジャスティン・ペックの作品が上演され、高評価を得ています。どれもセンスがあって、とてもおしゃれな作品です。

ニューヨーク・シティ・バレエ団の存在価値をジャスティン・ペックがかなり高めていると思います。

映像作品も出ていて、舞台の振付を、映像用に改訂しているバージョンもいくつかあります。中でもオススメがこちらのニューヨークの地下鉄での映像です。

背が高いダンサーが振付のジャスティン・ペックです。もうひとりは映画版「キャッツ」でミストフェリーズを演じているロバート・フェアチャイルドです。

音楽、衣装、地下鉄、スニーカーで踊るバレエ、すべてがワクワクします。ジャスティン・ペックは新しいことをしているんだけど、ちゃんとバレエであり、エンターテインメント性がある作品となっていると思います。僕は個人的に一番好きな若手振付師です。

kazu

このビデオで使われた駅・・・。たぶん地下鉄7番ラインの「34th Street( Hudson Yards)駅」だと思います。ある時、乳母車を抱えた女性がいて、手伝ったらすごく感謝された思い出があります。

そんないい思い出がよみがえるビデオなのでした。

最後に抱き合うカップルは、タイラー・ペック(女性)とアマール・ラマザーです。最後抱き合ったあと4人が腰を音楽に合わせて落とす一瞬の振付。このひとつの動きでさえオシャレです。

タイラー・ペックはニューヨーク・シティ・バレエ団の中で一番好きなダンサーです。そしてアマール・ラマザーは舞台上でいつもニコニコしていて好印象だったんですが、スキャンダルにより解雇されてしまいました・・・。

21歳で振付師のキャリアスタート

1987年生まれの32歳(2020年時点)です。この若さですでに数々の作品を発表し、賞も受賞する実力派です。

経歴

1987年:ワシントンDC生まれ
2003年:ニューヨークに引っ越し、スクール・オブ・アメリカンバレエに入学(15歳)
2006年:ニューヨーク・シティ・バレエ団に研修生として入団(18歳)
2007年:ニューヨーク・シティ・バレエ団にコール・ド・バレエとして正式に入団
2009年:New York Choreographic Institute(ニューヨーク振付研究所:ニューヨーク・シティ・バレエ団が運営)で振付の勉強を始める
2012年:ニューヨーク・シティ・バレエ団で振付作品を発表
2013年:ソリストに昇格
:「Year of the Rabbit」がブノワ賞(バレエ界のアカデミー賞)にノミネート
2014年:振付作「Everywhere We Go」の成功によりニューヨーク・シティ・バレエ団の常任振付家に
:「Rodeo: Four Dance Episodes」がBessie賞(ニューヨークでのダンスの賞)を受賞
2016年:「Rodeo: Four Dance Episodes」ブノワ賞(バレエ界のアカデミー賞)にノミネート
2018年:ブロードウェイミュージカル「回転木馬」でトニー賞の最優秀振付賞受賞。
2019年:ニューヨーク・シティ・バレエ団のダンサーを引退

ジャスティン・ペックはニューヨーク・シティ・バレエ団に限らずさまざまなバレエ団で振付を行っています。パリオペラ座バレエ団、サンフランシスコ・バレエ団、パシフィック・ノースウエスト・バレエ団、マイアミ・シティ・バレエ団、ヒューストン・バレエ団などなどです。

スニーカー・バレエ

ジャスティン・ペックの作品ではバレリーナがスニーカーで踊る作品が出てきます。サンフランシスコ・バレエ団との作品「Hurry Up, We’re Dreaming」で少しご紹介します。

【意訳】

ジャスティン・ペックです。ニューヨーク・シティ・バレエ団の常任振付家をしています。今回がサンフランシスコ・バレエ団と2回目の仕事です。サンフランシスコ・バレエ団は大好きなバレエ団です。

前回来たときは、街をかなりぶらぶらしました。そして「M83」というグループの音楽を聞き始め、夢中になりました。というのもサンフランシスコの街と音楽がすごく噛み合っていて、人としてあるべき姿というものについていろいろ考えさせられました。この感覚を作品に反映させています。

この作品では14人のダンサーが登場し、全員スニーカーを履いています。ふつうバレエでは女性はトウシューズだし、男性はバレエシューズを履きます。最近、ダンサーがスニーカーを履くとどう動くようになるか、どんな影響があるか興味があります。

バレエシューズで踊る場合と違い、スニーカーがこの作品にいい影響を与えています。僕はすごく楽しいし、新しさをすごく感じています。

ミュージカル界でも活躍

ちなみに、ジャスティン・ペックはバレエにとどまらず、ミュージカルでも振付をしています。しかも2018年の「回転木馬」では、トニー賞を受賞しています。

映画版「ウエスト・サイド・ストーリー」振付

このように華々しいキャリアを誇っていますが、残念ながら日本ではなかなか見る機会がありません。

ですが、ついに日本でも見られる日が来ました。それが、2020年12月に公開のスピルバーグ監督による「ウエストサイドストーリー」です。1961年に公開されたオリジナルの振付はジェローム・ロビンスです。ジェローム・ロビンスもニューヨーク・シティ・バレエ団の振付師でした。そういった点でもかなりの適任だと思います。

kazu

ぜひジャスティン・ペックをチェックしてみてください。
ありがとうございました!